「ひまわりの泉」設置工事の様子
大変遅くなりましたが、コーントライ中学校貯水タンク「ひまわりの泉」設置工事の様子をご紹介します。
貯水タンクを設置するにあたり学校側と協議の上、フェロセメントによる貯水タンクを採用しました。
フェロセメントは何層かの金網などの鉄材を組み込んだ型枠にモルタルを流し込んだもので、以下の利点があります。
○設置するのに低コストで特別な技術を必要としない
○粘りや衝撃やひび割れに対する抵抗力がある
▼貯水タンク仕様
○形式:フェロセメント円筒型貯水タンク
○貯水量:39,500リッター
○材質:コンクリート
○工期:14日
以下のリンクをクリックしますとCMC様よりご提供いただいた写真をご覧いただけますので、記事と合わせてご覧ください。
■着工2日目 (2011/8/27)
写真(2)(3)
2011年8月26日より貯水タンクの建設が始まりました。
始めにタンクの基礎部分を掘り下げます。雨のため掘ったところに水が溜まっています。
■着工6日目 (2011/8/31)
写真(4)(5)
鉄筋コンクリートで底スラブを作り、壁の型枠を組上げたところ。
写真(6)(7)
壁の型枠として目の粗い金網と目の細かい金網を取り付けます。
写真(8-1)(8-2)
日本の大学生さんたちにセメントと砂利を混ぜてコンクリートを作る作業と、出来たコンクリートを型枠へ流し込む作業を体験してもらいました。
■着工12日目 (2011/9/6)
写真(8-3)(8-4)
タンク側壁のモルタル仕上げ。塗ったモルタル表面をスムーズに仕上げました。
写真(8-5)(8-6)
校舎裏側の屋根に約40mの雨樋を設置。雨樋と貯水タンク間をPVCパイプで繋ぎました。
写真(9)
貯水タンク横に取水所を設置後、フェンスと扉を設置しました。
生徒たちに優先して飲んでもらいたい、のと「いたずら防止」のため閉校中は施錠。
写真(10)(11)
貯水タンク本体はほぼ完成。これからパイプを配管していきます、予定では後1日で完成。
■14日目完成 (2011/9/8)
写真(12)(13)
9月8日、遂にに完成。写真は9月14日に撮影したものです。
写真(14)(15)
貯水タンク横の取水所。
フェンスと扉を設置しました。生徒たちに優先して飲んでもらいたいのといたずら防止のため閉校中は施錠します。
■貯水後の浄水・ファースト・フラッシュ・ディバーター
雨が降っていない時に屋根および雨樋に砂、埃、葉、鳥の糞など汚物が溜まってしまいます。降雨初期に汚物と一緒に雨水が流れてきて貯水タンクへと直接入ってしまうことを避けるために、ファースト・フラッシュ・ディバーターで汚物を含んだ雨水を分離させます。シンプルなディバーターなので完全に分離することは難しいですが少しでも水質保全に役立てばとの思いです。
写真(16)(17)
校舎裏側に設置した雨樋で雨水を集め、ファーストフラッシュディバーターへ。
写真(18)(19)
ファーストフラッシュ下部。蓋を外して汚水を排水します。
■セラミック浄水フィルター
写真(20)
貯水タンクの水をそのまま飲用せず、教室に設置したセラミックフィルターにて浄水した後に飲みました。
左の浄水器は従来からカンボジアの学校での利用で実績のあるセラミック浄水フィルターのデザインを改良したもので、「Super Tunsai(スーパー・ラビット)」のブランド名でカンボジアで生産、販売されています。
販売店がバンテアイ・ミエンチャイ州シソポンにもあり調達は比較的容易です。
セラミック内に約9リッター、ストレージタンク内に14~15リッター貯水できます。処理能力は1時間に2~3リッター。セラミックに水を満たして約3時間で9リッターの水が浄化されます。
▽1人の生徒が1日に飲む水を0.5リッター
▽生徒数が各クラス30人
と想定して、
▽0.5リッター x 30人 = 15リッター と計算しまして、
▽7年生教室 x 2
▽8年生教室 x 2
▽9年生教室 x 2
▽職員室 x 1
▽図書室 x 1
以上、合計8個を設置し、115人の生徒たちと9人の先生たちへ安全な水を提供出来るようになりました。
9月8日完成後、貯水タンクの壁面に生徒たちに絵を描いてもらいました。
下記のリンクよりご覧ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
これからも「ひまわりの泉2号機」の建設・設置を目指して頑張って参ります。